関ジュ担は強いんじゃなくて、強くならざるを得ないんだと思う
彼らを好きになったのがいつだったか、明確には分からない。
彼らを知ったのは、高校生になる少し前。
それまで、ジュニアには全く興味がなかったし、恥ずかしながら、東西の括りが存在することさえ知らなかった。
ある時、久しぶりに捲ったアイドル雑誌で、私が大好きだったアイドルのことをやたらと尊敬している後輩の子がいることを知った。
と同時に、初めて関西ジャニーズJr.という存在を知った。
その頃から、YouTubeとかで彼らのことを検索したりしてよく動画を見るようになって、気がつくと私は関ジュ担になっていた。
けれどその頃の私は、「関ジュ担」と言うよりも「なにきん担」で、顔と名前の一致しない子、そもそも名前が分からない子なんてざらにいた。
そんな「6人が」大好きだった私は、その数ヶ月後、当時高校生でギャンスタのメンバーだった藤原丈一郎という男に、沼のドン底へ突き落とされた。
大阪から遠く遠く離れた街に住んでいる高校生が得られるものはそれほど多くはなかったけれど、彼らを追いかける毎日は楽しくてしょうがなかった。
後ろの方で踊っている人影の中に、彼らを探しては一喜一憂して、行くことの出来ない公演のレポを見ては笑っていた。
そんな毎日に訪れた変化。
丈くんという自担が居つつ、相変わらずなにきんもすごく好きだった。
そんな大好きな6人のうちのひとりが、表舞台から去っていった。
雑誌で見る写真が、縦読みが、それを現実だって見せつけてきた。
どんなに願ったって、どれだけ泣いたって、きっと彼は戻ってこない。
スポットライトがあたる場所に居てくれないと、そこから1歩でも外に出られてしまうと、彼らの姿を見ることさえできなくなる。
自分が如何に彼らから遠いところにいるのかを実感した。
というか、そもそも最初から近くになんていなかった。
それからすぐ、私は大学受験のために彼らに関する一切を絶った。
1年経って戻ってきたら、まさに浦島太郎状態だった。
大好きな人達がFunky8と呼ばれるようになっていること。
しょうれんが本当に東京にいってしまったこと。
彼らが「焼け野原」なんて言われていたこと。
全部後から知った。
私はこの「焼け野原」という表現が好きではない。
それ以前に、そんな風には思わない。
いったい誰がそんなことを言い始めたのか
彼らの何を見たらそんなことが言えるのか。
悲しみより、怒りに近いものを覚えた。
最近、本人達もよくこの言葉を口にするから、その度に苦しくなる。
やっぱり彼らの耳にも入っていたのかというショックと、そんな中で立ち止まることなく走ってきた彼らの気持ちを考えてしまう。
私には知る術がないから想像の域をでないけれど、きっと計り知れないほどの努力を重ねて、辛い思いもたくさんしたんだろうと思う。
ただ、彼らがその言葉を口にするのは、今はそうではないって胸を張れる証拠だとも思っている。
過去の記事を漁っていた中で見つけた、どこかのテレビ雑誌が言っていた「最高の未完成」という言葉が、あの頃の彼らを形容するのに1番いい言葉だと思うからそっちを推奨したい。
今も、あの頃も、間違いなく彼らはきらきら輝いていて、強くてかっこいい。
たぶんその頃から、「関西Jr.が」大好きになった。
大家族みんなの幸せを願うようになった。
彼らをずっとずっと追いかけていくと決めた。
だからそのバランスが僅かでも崩れると、自分でも厄介だと思うほど気持ちが置いてけぼりになってしまうようになった。
変化を恐れるようになってしまった。
知らない間に名前が付いた8人は、ほとんどリアルタイムで追いかけることが出来ないうちに、その姿を見ることが少なくなっていった。
公演や収録の度に、今回は誰がいないって騒いで、不安になった。
就活をしているかもしれないという噂に目の前が真っ暗になった。
同じ8人のファンの人の言葉に傷ついたこともあった。
それでもまた8人が揃う姿を、8人がバキバキに踊る姿を、うるさい8人の姿を見られると信じてたし、彼らの夢が叶うことを願ってやまなかった。
公式化、単独公演。
その夢全てが、ほぼ確実に叶わなくなったと知った時、感情がめちゃくちゃだった。
きっと喜ばなきゃいけない立場だった。
おめでとうって言ってあげなきゃいけなかった。
だけど頭に浮かんでくるのは、なんで?ってそればっかりで、なんの涙か分からない涙が止まらなかった。
大好きなふたりは、「過去の自分がいるから今の自分がいる」、「今までやってきたことは間違ってなかった」、そう言った。
みんなが言う、「前を向いてる。」、その力強くて頼もしい言葉が、少しだけ寂しかった。
雑誌や日誌の言葉の端々から感じられる彼らの覚悟を、私は複雑な気持ちで受け止めていた。
彼に光が当たることを望んでいたし、彼が高いところへ登っていく時は、その背中をしっかりと見つめて、どこまでだって追いかけていくと決めていた。
だからその時が来たのなら応援しなければ、背中を押さなければ、と思うその一方で、一緒に走ってきた彼らはどうなるの?貴方達が見させてくれた夢はどうなるの?とも思っていた。
そんな時、何度も読み返した日誌の中の言葉にハッとした。
ふたりは、もちろんほかのメンバーもそうだったけれど、色んな声や意見がでることを充分に分かっていた。
私が目にしたような心無い言葉の数々が彼らにも届いてしまってはいないか、傷ついていないか、心配になった。
そして、このままじゃ私は彼らを傷つける側の人間になるんではないかと思って怖くなった。
私がどんなにたくさん泣いて、思い悩んで、足踏みしていたって、彼らはどんどん前に進んでいく。
この機会を逃したら、きっともう彼に後がないことはなんとなく感じていた。
でも、どうしても8人に対する未練が消えなかった。
なんでこの7人なんだろう、これから6人をどんな気持ちで見たら良いんだろう、と思った。
正直に言うと、たぶんまだ完全に気持ちが追いついたわけではない。
彼らみたいに「前を向いてる」わけじゃなくて、「前を向かなきゃ」って思ってる。
ついこの間まで、3列目4列目でマイクを持たずに踊るピントの合わない彼を必死で探していたのに、公演が決まってもポスターに彼の姿があるか緊張しながら待っていたのに、今やその努力も心配もしなくて良くなった。
毎週1回必ず彼の言葉が届くようになったし、余計な布がたくさん付いた衣装を彼は着るようになった。
「自担が推されている」、その環境に全然慣れることが出来なかった。
嬉しくなかった訳では無い。
けれど、望んでいた形とは違ったし、あまりにも突然だった。
直後の梅芸、ガラッと変わった彼の立ち位置、彼らの公演に良くも悪くも驚いた。
f6ってみんなが言うのがちょっと嫌だった。
その数字は減り得るものなのかって思った。
丈橋のいなくなったfunkyとるたこじが楽しそうに踊っているのを見て、ちょっと羨ましく思ったりもした。
彼らを追いかける毎日は以前にもまして目まぐるしくなって、自分の中から消えないもやもやをゆっくり解消する暇もなかった。
そんな中、龍太くんと康二くんが関ジュのステージからいなくなった。
当たり前が当たり前じゃなくなるその瞬間を、また目の当たりにした。
悲しくて寂しくて、涙が止まらなかった。
というか信じられなかったし、ふたりのいなくなった図が想像出来なかった。
ぜんぜん関係ないけど、康二くんの方は授業中にそのことを知って、泣くな泣くなって自分に言い聞かせていたのにポロポロ涙が出てきて、私は完全にやばい奴だった。
もやもやはずっと消えなくて、悲しみだけが増えて、そんな状態で見たRIDEONTIMEは予告だけで泣いたし、本編が始まって数分で大号泣した。
「最後のチャンス」
私ですらうっすら思っていたことを、本人が思っていないわけない、そう感じながらもその言葉に心臓が止まりそうになった。
京セラでバックに付く丈橋以外のfunkyたち、見学席でラキボの振りを踊る正門くん、いったいどんな気持ちで彼らを見ているんだろう。
もしも、また去っていく人が出てきてしまったらどうしよう。
別に自分にはどうすることもできないのにそんな堂々巡りをひたすら続けていた。
でもやっぱり、全編を通して思ったのは彼らが大好きだってことだった。
あの大家族の記録には大好きがぎゅうぎゅうに詰まっていた。
今までの何倍も彼らが大好きになった。
そして、彼の口から直接聞く覚悟や過去の話は、真っ直ぐで重たかった。
彼は、彼らはきっと、悔しい思いも辛い思いも人一倍味わっている。
華々しく旅立っていく背中も、夢に見切りをつけて去っていく背中もたくさん見送っているんだろう。
それでも、人生をかけてアイドルの道を走り続けてくれている彼に対して私が出来ることはあるのか。
つくづく思う、ファンというのはなんて無力なんだと。
だけど、不条理な運命と自分の無力さに泣いている場合ではない。
たくさん笑顔にしてもらったぶん、何か少しでも返す努力をしなければ。
まだ未練はあった。でも腹は決まった。
なにわ男子で勝負する彼を応援しようと。
やっぱり、私の夢は彼らの夢が叶うことだから。
Aぇ!groupができた時は純粋に嬉しかった。
驚いたけど、それ以上におめでとうって思った。
末澤くんとリチャくんの名前があったことがなにより嬉しかった。
けれどやっぱりそこに選ばれなかった4人のことを考えてしまったし、一緒だった8人がどんどんそれぞれになっていくことを感じて悲しかった。
ちょっと複雑な気持ちはあったけれど、ずっと泣いていたあけおめの時とは違って、春松竹は笑って見ることができた。
ど頭のハピラキは、どうしてもなにきんを思い出してしまってkinkanが誰一人としていなくなってしまったことを強く感じたし、龍太くん、康二くん、まとくんはステージのどこを探しても居なくて寂しさはあった。
それでも、彼らが「新体制」と呼ぶこの形に期待感を持った。
丈橋はなにわで、リチャ末はAぇで、ちゃんと輝いている。
今朝古謝にもしっかり見せ場があるし、存在感がある。
funkyは特別だけど、結局関西Jr.のみんなが大好きだから彼らに光が当たることはやっぱり嬉しくて、自分が望む形じゃなくても彼らが輝けるなら、笑って幸せでいてくれるならそれ以上のことは無い。
そう思っていたはずだった。
彼らに追いつきそうだった、前向きになり始めていた自分の気持ちが、転がり落ちるように戻っていった春松竹の千穐楽。
流れてきたレポは柊真くんの時のそれと同じで、そんなことないって思う方が無理だった。
でも考えたくなかった。
考えることを完全に拒否してた。
彼らの涙の意味も、彼らが横並びになった意味も。
ずっとずっと見たかった景色がきっとそこにはあって、でもそれはきっともう2度と見られない景色で。
なんで今なのか、最後だからか。
最後なんだったら、最後くらいちゃんと8人揃えてよ。
ずっと宙ぶらりんにして、8人で括るくせに公式化はしてくれなくて。
そのすぐ後のまとくんの日誌を読んで、悲しいって思わないように必死になった。
最後のあの瞬間、ちゃんと8人だったんだって少し救われた。
けど、もう終わりだって言われた気がして余計辛かった。
なにわのことを人一倍真剣に考えて、グループを引っ張る丈くんも好きだ。
自分の立ち位置を理解してリーダーに名乗り出て、グループを支える大橋くんも好きだ。
だけど、高校生の休み時間みたいに全力でふざけてボケまくって彼らと笑い合っている丈くんがもっと好きだった。
お兄ちゃんたちに囲まれて、いじられまくってニコニコ笑ってる大橋くんがもっと好きだった。
8人の真ん中に堂々と立っているふたりが大好きだった。
なにわ男子が大好きだけど、Funky8も大好きだった。
この8人じゃ絶対デビュー出来ないって言う人もいた。
ダンスは上手いけどメインみたいな華やかさはないって言う人もいた。
私はそう思ったことはないし、今だって思わない。
けど、もし仮にそうだとするならば、だから公式化されなかったのかもしれないし、結果的にはバラバラになったのかもしれない。
でも最高の未完成だったあの頃、メイン4人を後ろから支えていたのは彼らだったと私は思っている。
ダンスがうまくて、喋ったら面白くて、先輩から信頼されていて、後輩からは憧れられていて、そんな人達は他のどこを探しても居なかった。
後輩から、「後ろで踊りたいんで単独やってください」って言われるジュニアなんて聞いたことない。
確かに丈橋は他の6人に比べて「8人」ていうのを強く言ってこなかったとは思う。
丈くんはそもそも括りというものをそんなに気にしてなかったように私には見えたし、大橋くんは「個」を強く意識していると思ったし本人もそう言っていた。
でも丈くんが8人のことを家族って言ったのも、大橋くんが8人といて喋るのが楽しいと思うようになったって言ったのも事実だし本心だと思ってる。
大橋くん、淳弥くん、まとくん、古謝くん、リチャくん、末澤くん、今江くん、丈くん
この8人は間違いなく私にとって特別な8人で、屋良くんが彼らにつけたFunky8という名前は宝物だ。
これからも事ある毎にfunkyのことを持ち出す気がするし、Followとかback fireとかマスピとかを定期的に延リピしてるだろう。
そして、彼らがFunky8だったことを一生忘れない。
けど未練じゃなくて、思い出にして、大事に大切にしまっておきたい。
この約半年間で、私の身の回りのものはどんどん赤から青に変わっていった。
丈くんは相変わらず世界で1番かっこいいし、丈橋が私にとって特別すぎるほど特別なシンメであることに変わりはない。
だからなんとかなると思う。
いつかなにわがデビューする時、結成した時には言えなかったおめでとうをちゃんと言えるように、嬉し涙を流せるように、がんばるよ。
彼らを好きになって、たくさん泣くし、病むし、自分が嫌いになるし、しんどいことは数え切れないほどあった。
けれど彼らを好きになって、たくさん笑わせてもらったし、幸せにしてもらったし、毎日が楽しくなった。
彼らを追いかけていたら、前よりちょっと強くなった。
彼らのおかげで出来た繋がりも、出会えた人もたくさんいる。
彼らのことで思い悩んで泣いていたのに、そのドン底から救ってくれるのも結局彼らだった。
たぶんそれが全てだ。
だからこれからも、彼らの背中を置い続けていたい。
彼らの見る光の海の小さな1点で居続けたい。
応援し続けたい。
大好きな彼らの、尊敬する彼らの夢が叶いますように。
笑顔が報われますように。
そして、彼らの見る景色がいつまでもどこまでも幸せでありますように。
未完成だった彼らが完成するその日まで。